
高校で進学校に入れば入るほどこういう状況に陥ります。
期待して入ってみたら授業のレベルが思ったより高くなかった現象ですね。
そういう人は塾に行くより、独学で数学を学んでいくのをお勧めします。勉強のやり方をわかっているなら、わざわざ時間をかけて予備校行くより家でぬくぬくと問題集を解いていたほうがいいですからね。
また、独学でやってみて苦手な単元は予備校の特別講座に行って勉強してみるのが最善だと思います。独学は楽しいのでいろいろ試行錯誤しながらやっていきましょう。
そこで今回は高校数学を独学でやっていきたい人のために、どういう順番で高校数学の単元を回していけばいいのかを、単元ごとの独学のしやすさも合わせて書いていきたいと思います。
高校数学の各単元の難易度と独学のしやすさ
数1
数と式

難易度:☆
独学のしやすさ:☆☆☆☆☆
高校デビューで気が抜けてしまう人も多いので躓いてしまう人がかなり多いです。ちなみに2重根号の外し方も覚えるので、中学時代から数学に熱心だった子は結構感動することが多いらしいそう。
何気に1単元に登場する公式の量は三角比・三角関数についで多く、のちのちどの分野でも必要になる公式なのでここはしっかり勉強しておきましょう。
ちなみに、最終的にはただの暗記ゲーになります。かなり独学がしやすい分野です。
2次関数

難易度:☆☆
独学のしやすさ:☆☆☆☆
数と式(1学期前半)で頑張ったので数学デキルと自信を付けた人も、ここで一気に自信を無くしてしまう人が多かった気がします。
ただ、図形に表して考えると実はものすごく簡単な分野です。
よくわからない独学勢はとにかくグラフを書きましょう。高校数学ではまだまだ序の口です
三角比(図形と計量)

難易度:☆☆☆☆
独学のしやすさ:☆☆

安心してください。みんな思ってます。ちなみに公式の量は発展版の三角関数とほぼ同等で、1A2Bの中では最も多いです。
この分野は登場する新概念が多く、独学でやるとかなりきついです。
ただ、実は三角比の本質を知っていればほとんどの公式は覚えなくてもよかったりします。公式が多すぎてうざったるいと思ったときは先生に覚えなくてもいい方法を聞いてみましょう。きっと教えてくれますよ。
集合と論理

難易度:☆☆☆
独学のしやすさ:☆☆☆☆
それもそのはずで、計算でゴリゴリやっていけば答えが出る数学1の中ではなぜかほとんど計算が必要なく、日本語の読解力が必要になる異端児的存在です。
ベン図に書くとわかるのに、それが「ならば」「∈」「∉」などの日本語と記号になると途端に拒絶反応を起こしてしまう人が多いのが特徴の分野です。
でも、対偶とかは普通に日常生活でも使うことができるので、やってみると案外楽しかったり・・・。
一旦わかってしまえば頭から抜け落ちることはないので、頑張って勉強しましょう
データの分析

難易度:☆
独学のしやすさ:やる必要なし
実際のところ、中学校でやった内容がちょっと難しくなっただけなので、数学と戦う高校生にとっては箸休め的な存在です。
ちなみに、このデータの分析は大学で経済学を履修すると大幅にパワーアップして帰ってきます。経済学部に進学しようとしている人は真面目にやっておいたほうがいいですよ
大学で使う数学の話をもっと知りたい人はこちらの記事を呼んでみてください(「慶應経済B方式は数学使わない」って本当なの?)
数学A
場合の数と確率

難易度:☆☆☆☆☆
独学のしやすさ:☆☆☆
覚える公式の数はかなり少ないのですが、とにかく公式の意味がわかりづらいです。
大体の人はPとCの違いがわからなくて沈没していきます。ただ、公式とにらめっこしているとある瞬間その意味が分かるときが来るので、確率で煮詰まっているときは公式をじっと見つめてみましょう。
ちなみに、内容は難しいですが独学で理解が深めやすい分野です。むしろ一人でじっくり考えたほうが理解しやすいような気がします。
おすすめの参考書は青チャートの解説です。この参考書の公式の解説の仕方がかなりわかりやすかったので、参考にしてください。
図形の性質

難易度:☆
独学のしやすさ:☆☆☆☆☆
チェバとかメネラウスとかは覚えてしまえばわかりやすいので、普段数学が苦手な人でもここだけはできる!という人が多い分野でもあります。
独学でもサクサク進めることができるので、三角関数あたりで煮詰まったらここに逃げましょう。
整数の性質

難易度:☆☆☆☆☆
独学のしやすさ:☆
難問が作りやすいので、東大・医学部をはじめ難しい大学の問題では軒並み整数が出てきます。市販の教科書ではほとんど十分な対策ができないので、整数を独学でやるなら専用の問題集を買ったほうがいいでしょう。
ただ、唯一のメリットはあまりほかの分野と融合することがないこと。他の分野と交わることはなく、素数が猛威を振るっているような状態です。
独学でやるのはきついものがあるので、独学では最後にやるか、予備校の整数特別講座を受けてみるのがいいかもしれません。
数2
式の計算


難易度:☆☆☆
独学のしやすさ:☆☆☆☆
他にも虚数という新概念が登場し、結構頭を柔らかくしていないと理解できない分野が多いです。文系だった私のクラスではここでかなりの人が戸惑っていました。
この辺から中学数学の延長から離れ、高校数学の本領に入っていきます。時間をかければ理解できるものが多いので頑張ってください。
図形と方程式

難易度:☆☆☆☆☆
独学のしやすさ:☆☆☆
言葉でわかっていても、具体的に頭の中で想像しにくいのが特徴です。
ここを独学で乗り越えられたら1A2Bではほとんど敵なしになるので、頑張っていきましょう。
ちなみにこの分野も内容は難しいものの、時間をかければわかりやすい分野です。独学は自分で十分に時間を取りながら理解していくことできる利点を生かしましょう。
三角関数

難易度:☆☆☆☆
独学のしやすさ:☆☆☆
三角比の発展版だからといって三角比と同じことをやるわけではありません。三角比がsinとは何か?というのを主に考えていたのに対し、三角関数ではsinを使っていろいろと計算を解いていきます。
三角比の公式の意味が理解できていれば結構やりやすいです。
指数関数・対数関数

難易度:☆☆☆☆
独学のしやすさ:☆☆
指数関数はまだ理解できるものの、対数関数になるとわかりにくさから問題用紙を投げつけたくなる人が続出します。
でも、わかった人には結構簡単というツンデレ的な一面も持つ不思議な分野。独学のしやすさはそこまで高くないので、後のほうに取り組むのがおすすめです。
微分積分

難易度:☆☆
独学のしやすさ:☆☆☆☆☆
順番的にこれが「図形と方程式」の次に来たほうが、とっかかりやすいのではないかなあと思います
数B
ベクトル

難易度:☆☆☆
独学のしやすさ:☆☆☆☆☆
ただ、ベクトルという分野そのものの土台として外分内分など「図形と方程式」の知識が多少は求められるので、整数ほどほかの分野とかけ離れているわけではありません。
平面ベクトルと立体ベクトルに分かれ、立体は難しくなると計算ミスが頻発するので要注意。どんな人でも最後にやることをおすすめします
独学のしやすさは微分積分と変わりません
数列

難易度:☆☆☆☆
独学のしやすさ:☆
等差・等比数列までなら大体の人がついていけますが、群数列、階差で半分がノックアウトし、漸化式まで理解できるのは全高校生の1割ほどと言われています。
1つの分野で最も難易度が変化する分野と言ってよいでしょう。
何よりめんどくさいのが、この漸化式は最終的に確立と融合して確率漸化式になるということです。
数列はこれだけのために参考書を買うことをお勧めします。
どういう順番で各単元を攻略すべきか
それぞれの独学との相性のよさ、悪さを考えると
①数と式→2次関数→式の計算→微分積分→集合と論理→三角比→三角関数→指数関数・対数関数
↓
②図形と方程式→ベクトル
↓
③場合の数と確率→数列
↓
④整数
という順番で進めていくことをお勧めします。特に①はほとんど独学でも理解しやすく、かかる時間もそんなに長くはないです。まずは①から解いていきましょう。
②も独学で何とかやっていけるレベルです。③あたりからちょっときつい気もします。整数は自分でやるのができないというよりは、問題の種類が多すぎるので一回学校か予備校の集中講義を受けたほうがいいと思います。
それでも整数は自分でやっていけるぜ、という人はこちらのマスターオブ整数をお勧めします。整数の問題を網羅している参考書といえばこれくらいですね
以上数学1A2Bを独学でやる場合のおすすめの順番を紹介しました。ちなみに復習の時もこの順番でやると効果的なのでお勧めです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。